……うそだ

「連絡ください言うた割に連絡通じへんやん? どないせーってのな」

冷や汗が沸き立つ

まじで? それで連絡こなかったの?

「会ったらほんまどつきまわしたらなあかんなあ」

迂闊に名乗れなくなった

「そ、それと赤髪がどういう?」

「ん? やからさ、あのアホンダラが戻ってきた時、

うちのトレードマークがなかったら気づかんかもしれんやん?」

「そんなこと……」

ありえて嫌だ

お姉さんの赤髪とピアスは凄い印象強いから

 

 

「ところでお客さん、なに飲む?」

「おすすめのカクテルを」

「いや無理やわー」

とお姉さんはドン、っと机が揺れるぐらいの勢いでコップを置いた

「自分みたいなガキンチョにはこれで充分やろ?」

それはいつか出されたジュースだった

「……はは」

「ははっとちゃうわドアホ! いつまで待たせんねんおばはんにする気かおどれぁ!」

「あ……バレてました?」

「バレバレや言うねん!

君身長高くなっただけで顔つきほとんど変わってないやんけ可愛いわボケぇ!」

「可愛いなんて、もうそんな年じゃないですよ」

「そこだけ反応すんなアホ! 首傾げる仕草もなんも変わってないいうねん……」

 

唐突にお姉さんは体を背けて顔を隠す

お姉さんも変わってないな

「どんだけうちが待っとったおもてんねん……」

ふるふると震える肩

いつもお姉さんは、弱味を俺に見せたがらない

恥ずかしい時も、哀しい時も背けて隠す

椅子を降りてカウンターの中に入っていく

土台が同じ高さになったため、俺はお姉さんよりも大きくなった