「あの」

強面がこっちを向く

それに合わせて思いっきり平手で手をぶつけてやった

多分、グーで殴ることが恐かった

そういう経験がなかったから

だから平手で殴った

強面は鼻血を出した

「ガキ……調子に乗りすぎだなあ?」

強面の恫喝に身が震えた

 

 

 

殴るなんてことはついやってしまったことに近くて

それ以上のなにかなんて無理だった

外に連れ出されて、5,6発ぶん殴られた

こんな痛いことがあるんだと知った

もう人を殴るのはよそうとか考えてた

お姉さんが後ろから強面を止める

強面がお姉さんを振り払うと、壁にぶつかった

お姉さんが痛そうな声をだした

なにを考えたわけでもなく強面に突撃する

なにもできないけど許せなかった

振り払われて、また殴られて

 

 

「気分悪い、二度と来るか」

捨て台詞を吐いて、強面は帰った

お姉さんが中の客を帰して、意識の曖昧な俺を看病してくれた

どう看病してくれたかは覚えてない

お姉さんは泣いていたような気がする

「ごめんな、ありがとう」と言っていた気がする

でも、俺にはやっぱり意味がわからなかった

殴られたからか、わからなかった

お姉さんが泣いているのは見たくなかったから

泣かないで、と手を伸ばした

お姉さんの頭を優しく撫でた