枕で顔が潰れててブサイクだった

でもどこか愛嬌があって、いうなればぶちゃいくだった

間近で見てると胸が高鳴った

今ならなにをしてもいいんじゃないか、なんて思い始める

そんなわけがないのに手が伸びる

鼓動がどんどん大きくなる

あわや心臓が口から飛び出しそうになる

やめておけ、と誰かが言うが

やっちまえ、と誰かが言う

 

 

俺はお姉さんの頭に手を置いた

見た目より痛んでない髪に手を通し、撫でる

「ふにゅ」

それは形容しがたい寝声だった

なんだろう

文字にできない可愛らしい言葉ってあるだろ?

お姉さんはそんな声を出した

優しく、愛でるように撫でた

お姉さん可愛いな、とか思いながら撫でた

 

 

だから気づかなかった

お姉さん、もうとっくに起きていた

「なにしてんの?」

怒っている風ではなく、優しい寝起きのぼやけた声色だった

「す、すみませんっ」

逃げ出そうとした

「ええよ」

「撫でててええよ。気持ちいいから」

了解を得たので再び座り込んでお姉さんの頭を撫でる

「うん、君撫でるの上手いな」

「今日はうちが寝る時撫でててもらおかな」

「はい」